(3)原因は子ども本人より親にある場合が多い…「8050」から「9060」へ
Bさんは子どもの頃から引っ込み思案で、無口なおとなしい性格だったそうです。集団生活は苦手でしたが、不登校・ひきこもりのきっかけとなるいじめにもあいませんでした。
「ただ、毎日緊張していたのを覚えています。中学の頃から動悸が始まり、電車の中や通学時に汗が出るようになりました。周囲の人に見られるのが恥ずかしく高校2年の時に外に出ようとしても体が動かなくなったのです」
当時は心の病は恥ずかしいという風潮があり、誰にも相談できずひたすら我慢していたといいます。
そんなBさんに昔かたぎな父親は「男がこんなことでどうするんだ、弱くては世の中、渡っていけないぞ」と怒鳴るばかり、母親は何も言わず夫に従うだけでした。
ひきこもりの要因として多くの専門家が指摘しているのが家族問題です。
Bさんをひきこもりから救い出した医療心理士の小野幸子・さち臨床心理研究所所長はこう話します。
「ひきこもりにはさまざまな要因があるといわれていますが、私の臨床経験では原因は子どもというより親にある場合がほとんどです。背景には不安障害や強迫性障害などが隠れていることもありますが、親の問題が子どもをひきこもりにしているように思えます」


















