(7)「夢」は脳の夜の仕事? 夢を見る理由はどこまで解明されたか
夢を見る理由についてはさまざまな仮説がある。そのひとつが、睡眠中に行われる「記憶の固定や再構成」と夢との関係である。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「昼間に見聞きし、体験した膨大な情報が、そのまますべて長期記憶として残るわけではありません。睡眠中には、経験した情報の一部が再び活性化され、記憶の固定や再構成が進むと考えられています。この過程で、さまざまな記憶の断片が組み合わされ、夢として意識に現れる可能性があるのです」
さらに近年は、夢と「感情調節」との関係にも注目が集まっている。嫌な出来事があった日の夜に、不安な夢や怖い夢を見ることは珍しくない。睡眠中、経験した出来事が再び処理される過程で、感情の調節にも何らかの役割を果たしている可能性がある。
2025年には、日本の研究者が夢の機能に関する研究を幅広く検討したスコーピングレビューを発表している。そこでは特に、夢と感情調節との関係が整理され、夢が感情の処理や調整に何らかの役割を果たしている可能性が検討された。夢は、記憶や感情、さらには社会的な情報処理など、脳と心のさまざまな働きと関係しているのかもしれない。


















