医師に聞く ガムやカフェインで消えた「眠気」どこへ?
サラリーマンたるもの、眠いからといっておいそれとは寝られない。ガムやカフェイン飲料などでしのいでいる人は多いだろうが、それによって失せた眠気はどこにいくのか。一時的に別の場所に避難しているのか、それとも眠気そのものが吹き飛んでしまうのか。
「一時的に眠気が軽減しているだけ。眠気が消えてなくなることはありません」と言うのは、日本睡眠学会認定医で「むさしクリニック」(東京・小平市)院長の梶村尚史氏だ。
梶村院長によると、人間には2つの“眠気の波”がある。1つは昼食後の2時から3時ごろに眠くなる「サーカセメディアン・リズム」。もう1つは90分ほどの比較的短い周期で眠くなる「ウルトラディアン・リズム」。どちらも人間本来に備わるバイオリズムで、「前者は夜にしっかりと眠るため、後者は脳の小休止のためのもの。従ってカフェイン飲料などで眠気をごまかしても、必ず眠気の周期はやってきます」という。