会社にもいる“ショーンK” 転職者が使う学歴詐称の手口
テンプル大卒業、パリ第1大に留学、ハーバードでMBAを取得――。経営コンサルタントのショーン・マクアードル川上氏(48)のこうした経歴はウソだった。長年、テレビやラジオを通じて人をダマしてきたわけだが、彼のように学歴を詐称する輩はサラリーマン世界にも少なくない。「新卒ではなく転職者の中にウソつきがいます」とは人事コンサルタントの菅野宏三氏だ。
「私が知っているケースでは東大法卒で旧財閥系企業にいたという触れ込みの50歳の男が、実は東大卒でないことがバレたことがあります。前の会社で人事部に所属し、たしかに実務はよく知っているけど、労働基準法などの知識が弱い。そこで入社後に調べたら、私大出身者でした。大手商社系企業の採用面接を受けた40代の男は九大卒を名乗ったものの、大学時代に受けたゼミの話を聞くと、どうもおかしい。彼の指導教授の専門分野が違うのです。そこで本当に九大を出た社員と話をさせたらシドロモドロになり、次の面接には来なかった。このほか印刷屋を使って東大の卒業証書を偽造した人もいました。“卒業証書を預からせて欲しい”と頼んだら証書を置いていきましたが、その翌日、携帯に電話すると番号が変更されていた。大切な証書を取りにきませんでした」