幻の店「クロッサムモリタ」も運営 「六花界」社長・森田隼人さんの巻<4>
活魚料理 浜貞(東京・神田)
JR神田駅北口を出てすぐ。回転寿司江戸ッ子さんから神田警察通りに向かって歩くと、店先に鮮魚を仕入れた発泡スチロールの箱が積んである店が左に見えてきます。その店こそ、神田の名店「浜貞」さんです。
発泡スチロールの数が象徴するように、毎日新鮮な魚介類を仕入れています。店内の壁には、手書きの品書きがズラリと貼ってあります。
先日、夕方4時くらいでしょうか。早い時間帯にお邪魔すると、すでに先客がカウンターに1人。女性スタッフに促され、3席ほどあけてカウンターに腰を下ろして、赤星の中瓶(650円)を頼み、名物の品書きに目をやります。
初夏の訪れを感じさせるホヤ(530円)や岩ガキ(750円)、ハモ(850円)など目移りしまくりのラインアップでした。キンメダイ(750円)もいい。品書きを眺めているだけで、2杯、3杯飲めてしまいます。
その後にやってきた常連サン2人組もやっぱり同じで、「えーと、ハモいいねぇ」と言えば、「オレはカツオね」と続き、「カワハギもお願い。肝醤油でね」とのオーダーに落ち着いた次第。
私も、結局、カワハギとホヤを注文。カウンターの中の大将は入り口近くの水槽をのぞき込んで網を入れると、カワハギをすくい上げます。私が座った席は、まな板まで30センチという“砂かぶり”です。ザクッとカワハギに刺し身包丁を入れる音まで聞こえ、小気味いいテンポでさばいていきます。これぞ、「活魚料理」の真骨頂です。