谷中のパン屋 樹齢100年のヒマラヤ杉を切った店主の胸中

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 いまから94年前の昭和元(1926)年、ひとりの男が甘味処を始めた。

 場所は寺院の密集する谷中。三差路のとがった一角、三角形の鋭角にあることから店名を「みかど」とした。「『三角』じゃおかしいから、ちょっとシャレて『みかど』にしたようです」とは孫の斎藤陽子さん(86)。開店記念かどうかは定かじゃないが、男は店の庭先、三角形のとがった場所に鉢植えのヒマラヤ杉を置いた。

 ヒマラヤ杉はその後、グングン成長。いまや直径1・5メートル、高さ20メートルほどの大木になり、台東区の保護樹木、景観重要樹木に指定されている。

「杉は最初、木鉢に植えられていたのです。わたしが小学生の頃は、鉢を倒して遊んだりしていましたから。ところが、根が木鉢を突き破って地面に張り、その頃から成長する速度も上がっていった。根が地面から直接養分を得るようになったからでしょう」(斎藤さん)

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