【フーチャンプルー】隠し味は酒 麩がつるっとふわふわに
みやら製麺(東京・上野)
沖縄以外のエリアで麩といえば、味噌汁やすき焼きの具にする程度で、脇役でしかない。それが沖縄では、チャンプルーのメイン食材になる。ご飯のおかずでも、ツマミでも定番だ。
「沖縄の麩は、水で戻すと、肉みたいなもっちりした食感になるから、炒め物に最適なの」
本土の麩との違いは小麦粉に含まれるグルテンの含有量の差。多いのが沖縄の麩で、車麩と呼ばれる。沖縄のアンテナショップ・わしたショップなどで手に入る。
「おいしく調理するコツは、水で戻した麩をよく絞ったら、生卵につけておくの。そうすると、ふわふわでおいしいフーチャンプルーになるさ」
なるほど、キャベツやモヤシ、ニンジンなどの野菜と一緒に口に運ぶと、麩も豚肉のような食感だ。卵コーティングのせいなのだろう、麩もウマ味がスゴい。
「実は、普通は使わない酒を使うのがコツ。麩がつるっとふわふわした食感になるし、ウマ味も加わるんだよ」
野菜は何でもOKで、家庭の野菜炒めに車麩をプラスするだけで簡単にできる。常備しておくといいだろう。
《材料》
・車麩 半分
・卵 1個
・キャベツ 1枚
・モヤシ 2分の1袋
・ニンジン 4分の1本
・ニラ 2本
・豚肉 50グラム
・油 適量
・酒 大さじ3杯
・塩 少々
・コショウ 少々
・顆粒だし 少々
・醤油 少々
《作り方》
(1)車麩を1センチ幅にちぎって水で戻したら、よく絞り、溶いた生卵に浸す。
(2)キャベツは適当な大きさにちぎって、ニンジンは千切り、ニラは3センチほどに切る。豚肉も食べやすい大きさに切る。
(3)熱したフライパンに多めの油を引いたら、豚肉を炒め、①の車麩を加える。サッと火を通し、豚肉に赤い部分が残っているところで取り出す。
(4)4種の野菜を炒めながら、大さじ1杯の酒を振る。
(5)④に③を加え、一つまみの顆粒だしをそのまま加える。少々の塩とコショウで味を調える。
(6)⑤に、顆粒だし少々を加えた大さじ2杯の酒を振って炒めながら、醤油を数滴回しかけてなじませれば出来上がり。
▽宮良隆生(みやら・たかお)
沖縄県石垣島出身。お酒と音楽をこよなく愛し、店の2階には沖縄大衆芸能の開拓者で「てるりん」こと故・照屋林助さんの遺志を伝えるべく、「てるりん館東京」を開設。息子で三線職人の林次郎さんが館長で、不定期にライブや展示会が開かれる。
▽みやら製麺
東京・上野の黒門小学校の南側にある沖縄そば店。麺は、八重山諸島で親しまれている八重山風の丸麺を毎日打っている。化学調味料を使わず、丁寧にとったダシは透き通っていて、「本場よりウマい」と評判。現在はランチ営業のみ。
東京都台東区上野1―2―8
℡03・5577・6622
火曜定休