ペットのがん手術どうする? 適切な選択肢の提案で飼い主の決断をサポート

公開日: 更新日:

 一方、かかりつけのワンちゃん(14歳)にも、口に同様の病変が見つかりました。咀嚼のしにくさや痛みなどの症状と診察結果からは、メラノーマが濃厚でした。前のネコちゃんとの違いは、加齢による軽い心臓の症状と歯石の沈着で定期的に診察する過程で見つかったもので、早期だったことです。

 2つのケースで切除したのは、後者でした。飼い主さんには麻酔下での手術は心臓への負担が大きく、麻酔後に亡くなるリスクもある一方、そのリスクを乗り越えると、寿命が延ばせる可能性があること。それをきちんと説明した上で、飼い主さんも納得されて手術しました。

 見た目は1センチほどあった腫瘍は、上顎への浸潤がひどく3倍近くありましたが、無事に手術は成功。術後は口の消毒をしながら、再発防止のインターフェロン注射を並行し、経過観察しています。心臓の悪化は今なお心配材料ですが、痛みなく食餌を食べやすくなったのは何よりでしょう。

 冒頭のネコちゃんにも同様のリスクとメリットを説明した上で、飼い主さんは切除をしない選択をされました。手術はできなくはありませんでしたが、ワンちゃんより腫瘍が大きかったため、その分リスクもより大きかったこともあります。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?