著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

公開日: 更新日:

■早大OB・OGの悲願とは…

 多少のスキャンダルなど、ものともしない幼稚舎に早実初等部が追いつくのは難しいというのが前出の幼児教室経営者をはじめとする受験業界の一致した見解。「歴史の差はいかんともしがたい」という。幼稚舎がスタートしたのは大学より古い1874年。対する早実初等部が開設されたのは2002年だ。「伝統では太刀打ちできないのは明らかだが、差が埋められないのはそれだけが理由ではない」と話すのは早稲田大の理系教授。「幼稚舎と早実初等部のゴールは慶応大、早稲田大ということになるわけですが、そこで大きな違いが出てくる。医学部の有無です」

 ゴールに医学部がないため、早実初等部に優秀な人材が集まりにくいと同教授は分析する。幼稚舎の先には私大系で最難関の慶応大医学部がある。もちろん、幼稚舎に入学できたからといって、その道が約束されるわけではないが、可能性が広がるのは大きなアドバンテージになる。

「小学校受験をする層は、具体的か漠然かは別にして医学部を視野に入れている家庭が多い」と幼児教室経営者は話す。早実から早稲田大への内部進学率は約97%と高い。逆にいえば、医学部への可能性を残しておきたい層にとって早実初等部はリストアップしにくいということになってしまう。

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