著者のコラム一覧
白石 あづさライター&フォトグラファー

会社を辞め3年にわたる世界旅行へ。訪ねた国は100カ国以上。著書に「逃げ続けたら世界一周していました」(岩波書店)、「中央アジア紀行 ぐるり5か国60日」(辰巳出版)、「尾畠春夫のことば」「佐々井秀嶺、インドに笑う」(ともに文芸春秋)ほか。

(2)友達がいなくても旅先の180度、違う常識に助けられる

公開日: 更新日:

 旅に出ると「これが常識」と思い込んでいたことが、ビニール傘のようにいとも簡単にひっくり返ります。そのひとつが「時間の感覚」です。3年間、世界一周の旅で立ち寄ったアフリカのサバンナで、現地人から「おまえはなぜ急ぐ?」とけげんな顔をされました。そりゃ約束の時間に間に合うように慌てているのです。

■急ぐお前はまだベイビー?ポレポレおじさんに叱られる

 しかし幼い頃から「早くしなさい」と言われ続けて育った私と違い、彼らは我が子がバタバタと行動すると「ポレポレ(ゆっくり)!」と叱ります。約束よりも自分の「ゆっくり」が優先なので平気で遅刻するし、私のような大人は「まだベイビーなのだ」と笑うのです。「それはアフリカだから」とみなさんは思うかもしれませんね。しかし、世界100カ国以上まわっていると、「ゆっくり」が美徳な国は意外と多いのです。

 こんなこともありました。中米のベリーズで青空レストランを開いている店主が、いつもぐうたら寝てばかりいて、子供もいるのにお金が尽きるまでは店を開けません。不安にならないのかと聞けば、「働かなくていい日は働かない。いつ休めなくなるか分からないから」と鼻をほじりながら答えます。「老後はどうするの?」と重ねて尋ねると、呆れたように「俺はあすとあさってのことまでしか考えない」とドヤ顔をして寝てしまいました。

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