すべて片づけられなくても…自宅や職場の“一角”を整えて仕事の質を上げる人とは?

公開日: 更新日:

人は「行動」と「場所」を紐付けて習慣化する

 たった一角でも、そこが整い、意図が宿ると、驚くほどクリエイティブな活動が加速し、人生そのものに大きな変化をもたらします。ここで強調したいのは、聖なる空間は、部屋全体が整っていなくてもつくれるということです。

 リビングが散らかっていようが、場所がワンルームの一角しかなかろうが、関係ありません。どんな場所からでも、その一角を“意図をもって整えた空間”に変えることができます。

 実際、ビジネスパーソンには、次のような小さな聖域をもつことで成果を上げている例が多くあります。

・自宅の“作業用ワゴン”だけを整えて仕事の質を上げる人
・ベッド横の小さなナイトテーブルだけを“思考の原点”にしている人
・カフェの定位置を“発想の場所”として習慣化している人

 それが可能なのは、人は「場所」と「行動」を紐付けて、習慣化する生き物だからです。これを心理学では、「コンテクスト依存性」と呼びます。特定の空間があると、特定のモードに切り替わる、という性質があります。つまり、小さなスペースに「この場所では集中する/考える/書く/整える」といった「役割」を与えるだけで、脳はそのモードに入りやすくなるのです。

■日常に流されない空間で人生が動き出す

 もしいまのあなたが、日々の生活の中で力を存分に発揮できているのなら、部屋がクリエイティブなエネルギーを与えてくれているのでしょう。しかし、そうでないならーー。

 ここ数年、あるいは数十年かけてつくられたあなたの部屋が、あなたの人生を決めています。その影響から逃れるのは、簡単ではありません。ビジネスセミナーで大きな気づきを得て、「よし、人生を変えよう」と強い決意をしても、自宅に帰ればその勢いはすぐに薄れてしまう。

 3日も過ごせば、胸を躍らせた希望もビジョンもかき消え、「やっぱり自分には無理だ」と自己否定だけが残るーーそんな経験は多くの人がしています。当然です。たった数日抱いた希望が、数十年かけて積み上がった空間のエネルギーに勝てるはずがないからです。

 だからこそ、例外領域である聖なる空間をつくることが必要なのです。聖なる空間とは、その逆です。あなたの日常空間の中に、高いエネルギーを放つ例外領域をつくることで、これまでの日常空間の支配を受けない場所を確保するのです。

 ぜひ、一度つくって体験してみてください。人生が動き出す感覚が、きっとわかるはずです。


▽舛田光洋(ますだ・みつひろ)
 
 そうじ力研究家。環境整備コンサルタント。1969年、北海道むかわ町生まれ。清掃業を通じて「空間と人生の相関」や「環境整備による心の変化」に着目し、独自に研究を重ねて人生哲学「そうじ力」を提唱。企業向け発展プログラムや個人向けセミナーを全国で展開し、近年は海外にも発信。「自己啓発としての掃除」分野の第一人者で、著書は『夢をかなえる「そうじ力」』(総合法令出版)、『3日で運がよくなる「そうじ力」』(三笠書房)など。国内外50冊以上におよぶ「そうじ力シリーズ」は累計380万部を超える。最新刊『あなたの部屋は、あなた自身です。「人生」と「空間」の相関法則』(サンマーク出版)

  ◇  ◇  ◇

 金持ちの部屋にはなぜモノが少ないのか? 関連記事【こちらも読む】お金持ちの家はなぜ、キレイでモノが少ないのか…もあわせて読みたい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    愛子さまが8月に伊勢神宮「式年遷宮」視察へ 将来は「祭主」を継ぐ可能性も

  2. 2

    北陸新幹線の延伸ルート「桂川案」に決定でも難航必至…問題解決の奇策「フリーゲージトレイン」の可能性を考えてみた

  3. 3

    「ブルーカラー・ビリオネア」には到底なれない…60代の元ブルーカラーは今無職

  4. 4

    暫定措置は7月で終了へ…「資格確認書」「マイナ保険証」迫るタイムリミットの対処法

  5. 5

    東大出身の小林政調会長は日本史を学ぶべき「2600年以上続く男系継承」は歴史なのか神話なのか…皇室典範改正で浮かんだ疑問

  1. 6

    巨人前監督のことは笑えない 妻や娘に容赦なく「キャンセル」される孤独オジサンの老後

  2. 7

    「元祖」2店もタモリもマツコもバラバラ…シーズン到来の冷やし中華は具材もタレも我流がうまい

  3. 8

    飛行機に乗ることが目的でいいのか? 『沸騰ワード』人気企画「マイル修行旅」に向けられる厳しい視線

  4. 9

    今も続く「皇室典範」は出来の悪い法律…男の側に不妊の原因を求める発想がなかった時代の産物だ

  5. 10

    JR四国「伊予灘ものがたり」(愛媛県松山~八幡浜)海に一番近い駅、海の上の鉄橋…絶景ポイントの連続!

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 2

    愛子さまが8月に伊勢神宮「式年遷宮」視察へ 将来は「祭主」を継ぐ可能性も

  3. 3

    検察組織は落ちるところまで落ちた 東大法卒の「特捜部エース」が“ヒモ”とは…世の中真っ暗闇

  4. 4

    三山凌輝「裏切り愛」でも愛娘・趣里に離婚を勧められない水谷豊&伊藤蘭の悲痛

  5. 5

    眞鍋かをり「愛子天皇待望論」は“陰謀論”発言が波紋…高学歴タレントコメンテーター生き残りの厳しい現状

  1. 6

    「ブルーカラー・ビリオネア」には到底なれない…60代の元ブルーカラーは今無職

  2. 7

    来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明

  3. 8

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  4. 9

    一番驚いているのは自民に入れた有権者 「数の力」をなぜ、こんなバカげたことばかりに使うのか

  5. 10

    今夏の専大松戸の継投策が「エース→2番手」ではなく「2番手→エース」の理由…いざ千葉県大会決勝へ