繰り上げ受給を選ぶのはどんな人? 低年金シニアを惑わす税と社会保障のカオス
「何が不安か」が、わからない不安
65歳になったCさんの年金は、月3~4万円ほど増えたらしい。これは単なる増額ではなく「加給年金」が付加された可能性がある。「加給年金」は65歳以降の年金受給者が「65歳未満の配偶者」を養っていると上乗せされる手当だ。ただし妻が65歳になると休止される。
年金制度はこうした「オプション」や「ルール」がややこしい。さらに社会保険や税金は別カテゴリーから“襲撃”してくる。「何が苦しいのか」を正確に説明できる人は少ないのではないか。
Cさんの人生は「安全と思っていた列車に乗っていたら、いつの間にかボロい電車に乗り換えさせられ、今はどこに向かっているのかよくわからない」という状態に見える。
バブル崩壊、リーマンショック、コロナショックを浴びた「中流」は、終身雇用崩壊と非正規雇用拡大の波に飲まれ、低年金の老後へ流れ着いた。しかし「人のいい」Cさんは自分がどこに流されているのかもわからない。
そもそも「何歳から年金を受給するのがお得か」を個人が判断しなければならない時点で、年金制度は崩壊がはじまっていると言っていいのではないだろうか。
(了)
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