日本独自のナイト文化「スナックブーム」の仕掛け人・五十嵐真由子インタビュー
オフィススナックを開店
──どんな活動をしているのですか。
私が運営する「スナック横丁」には全国1400人以上のママが加盟しています。安心安全で健全な営業をしているスナックをパートナーとして、加盟料等は一切もらわず、あくまで応援する側として、いかにママに光を当てるかを心がけています。我々はあくまで応援する側であり、企業に支援してもらいます。スナック横丁から会社の会議室にママを派遣する「オフィススナック®」は、スナックママが社員同士や上司部下の間に入って盛り上げ、絆を深めます。
──町おこしにも力を入れていますね。
全国各地の行政からは、その土地にいるママを集めたスナックイベント「スナフェス®」や「スナックツアー®」のプロデュースを依頼される機会が増えています。今年6月に東京・京橋で開催した「スナフェス®」は、都の観光財団のナイトタイムエコノミー助成金を活用しました。不動産ディベロッパーが夜間の賑わいを創出する目的で、全国からママが集まりました。1カ所ではしご酒ができ、3000人以上の来場者がありました。このようなイベントやツアーなどをきっかけに、今ではスナック横丁に1万5000人のスナックファンがいます。
──外国人観光客の間でも人気です。
23年から外国人向けの「スナックツアー®」を始めました。外国人参加者がママとハグして別れを惜しむなど、感動的な体験になっています。ハイブランドホテルのコンシェルジュが「より面白い日本の文化があるよ」って直接宿泊客にご提案してくれたり、ツアーそのものを「宿泊プラン」に組み入れているホテルもあります。客単価が高くなれば、ママたちに高い報酬を支払うことができます。
ママさえいればどこでもスナックに
──ママが財産ですね。
初心者ツアーの参加者はほぼ女性です。ツアーをきっかけにその店のママになった女性もいます。今後は先輩ママとタッグを組んで、ママ大学やママ家庭教師も考えています。スナックは箱物ですが、ママさえいればどこでもスナックになります。ママの「聞く力」とコミュニケーション力は何物にも代えがたいものです。サラリーマンのお客さんは「ママに育ててもらった」とよく言います。仕事の愚痴をこぼしたり、家庭の不満を漏らしたり。地方の「昼スナ」に行くと、日中は奥さんがご主人の悪口を言い、夜になると旦那がやって来て奥さんの文句ばかり。町の保健室です。新しいことを前向きに捉えてくれるママが多く、積極的です。スナックって、お客さんがカウンターで横並びになって年齢も肩書も性別も関係なく、ママと会話しているじゃないですか。憩いの場であり、心を許せるところです。だからママなんでしょうね。
▽五十嵐真由子(いがらし・まゆこ) 愛媛県出身。国立音楽大卒後、CM音楽制作会社に入社。数々のCMソングを手掛ける。楽天に転職し、楽天トラベルに配属。2015年、独立してPR会社を設立。オンラインスナック横丁文化代表取締役。
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