著者のコラム一覧
藤末健三マサチューセッツ工科大(MIT)サイバーAIセキュリティ研究所(CAMS)副所長(アジア担当)、慶應義塾大学特任教授、ミュンヘン工科大学AI倫理研究所客員教授、インド工科大学ハイデラバード特任教授

東京科学大学を卒業。参議院議員を3期務め、総務副大臣を歴任。専門はサイバー・AIのマネジメントと政策。プロボクサーライセンスを取得し、今もリングに向かう。「源行」の筆名で禅や哲学の本も書く。 MITサイトhttps://sites.mit.edu/fujisue/

GMOで顧客情報流出やFX不正取引、熊谷正寿社長が涙の謝罪も…セキュリティーの研究者が指摘する「本当の問題点」

公開日: 更新日:

 だからこそ、グループ全体について、利用者が納得できる説明を続けてほしい。どのシステムが影響を受け、どのシステムは影響を受けていないのか。顧客情報や認証情報の管理はどうなっているのか。外部の専門家による検証をどこまで行い、その結果をいつ公表するのか。こうした点を具体的に説明してほしい。

 報酬の減額や謝罪だけで、信頼は戻らない。必要なのは、独立した第三者による検証、経営陣への報告ルートの見直し、グループ全体のセキュリティー体制の点検、そして再発防止策の進み具合を定期的に公表することだ。

 熊谷氏は会見で「命かけて、この産業を多くの方の笑顔のツールにしてから死ぬつもりです」と語った。その思いを否定するつもりはない。むしろ、日本のインターネット産業を長く引っ張ってきた経営者だからこそ、今回の事件を経営を変えるきっかけにしてほしい。サイバーセキュリティーは、もはやIT部門の経費ではない。会社の信用、お客さまの資産、そして事業の存続を左右する「経営そのもの」だ。

 GMOに必要なのは、強いリーダーの決意だけではない。専門家の声が経営に届き、悪い知らせほど早くトップに伝わる仕組みである。一人の利用者として、そしてサイバーセキュリティーと経営を研究する者として、GMOが今回の教訓を生かし、信頼を取り戻すことを期待したい。

   ◇  ◇  ◇

 熊谷社長の会見が物議を醸したが?●関連記事【こちらも読む】金融資産1400億円の承認欲求モンスター…号泣会見GMO熊谷正寿社長「命の砂時計」のムダ嫌う公私混同…もあわせて読みたい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    在宅死の高い壁をどう克服するか…5~6割が「最期は自宅で」と希望しても実際は2割に満たず

  2. 2

    スーパーエルニーニョで暖冬でもドカ雪危機…今季も遅い富士山初冠雪が“迷走寒気”襲来の伏線か

  3. 3

    タイムズカー集団訴訟の難しさ…不正アクセスの「過失」を証明するのは誰か

  4. 4

    皇室が国に寄贈した美術品は約9800点! 11月3日全面開館「皇居三の丸尚蔵館」のすごい収蔵品

  5. 5

    鳥山明氏の命奪った「急性硬膜下血腫」…血液サラサラ薬服用者は、ちょっとしたケガでも発症リスクが

  1. 6

    11月2日に「防災庁」発足も…避難所の現実と災害関連死リスクに専門家が強く警鐘

  2. 7

    吉村洋文・大阪府知事は「月の手取り70万円」と明かす…47都道府県知事や市区町村長の報酬はどうなってる?

  3. 8

    自説との対立から車で引きずった85歳が逮捕、史跡めぐりで相次ぐ迷惑行為…なぜ歴史愛好家はガイドを怒鳴るのか

  4. 9

    個人情報漏洩「お見舞い金」の相場は? タイムズカーは146万人に3000円

  5. 10

    「国産」と信じて買ったのに中身は外国産…ジャパニーズウイスキーの“産地表示”に必要なルールとは?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中森明菜が口にした“幻のレコ大3連覇”と大賞の行方…紅白で再燃しそうな近藤真彦との40年の因縁

  2. 2

    なにわ男子が京セラDカウントダウンコンサートでKinKi Kidsの”白馬の王子DNA”を完全継承

  3. 3

    秋ドラマは「芝居上手」の芦田愛菜、上白石萌音、河合優実で見る!

  4. 4

    米球界挑戦の横浜・織田翔希は間違いなく巨人入りに翻意する 松井監督誕生で見えた“説得の筋書き”

  5. 5

    元巨人の俊足外野手・重信慎之介さんはこの春、青年実業家に転身。カープロテクション&カーラッピング会社を立ち上げていた

  1. 6

    (6)甲斐拓也が松井巨人に“切られた”本当の理由…成績低迷に加え「福岡帰省連発」でもヒンシュク買っていた

  2. 7

    高市首相「ワタクシ悲願」の消費税減税法案で国会答弁“逃げ恥作戦”画策も失敗確実

  3. 8

    高市首相「えつお」言い間違い疑惑のネット論争にまで参戦 予算72億円増の内閣広報室がまた大炎上

  4. 9

    維新の“泥舟化”が加速…群馬、岐阜、茨城と県組織「解散」し都市部テコ入れもガバナンスはガタガタ

  5. 10

    ロッテ小島和哉はFA移籍濃厚…《開幕たった2戦で二軍送り》でくすぶるサブロー監督との火種

おすすめ求人情報

書類作成・データ入力などのオフィスワーク
株式会社TKUヒューマン 熊本県 熊本市 派遣社員
時給1,300円
登録スタッフ大/未経験OK/オフィスワーク・製造・介護
株式会社クリエイト 広島県 広島市 派遣社員
時給1,150円~1,500円
オープニングスタッフのサポートオフィスワーク事務
株式会社エムジー 熊本県 熊本市 正社員
月給21万8,000円~40万円
Sponsored by 求人ボックス