築78年でも現役バリバリ! 静岡の「昭和レトロ団地」が取り壊されず、今も6割に入居している理由
また、当時の職人たちが高い技術を駆使して建設したことも、長く使い続けられている理由の一つだ。建て替えが必要になるような不具合はなく、調査の結果コンクリートの圧縮強度も十二分にあることが判明している。
そのため、羽衣団地では建て替えではなく、各戸に浴室を設けたり、新たにベランダを取り付けたりするなど、リフォームを重ねてきた。
注目すべきは、2棟48戸のうち、約6割に当たる29戸に現在も住民が暮らしていることだ。リフォームが施されているとはいえ、完成から70年以上が経過した建物で、これだけ多くの人が生活しているのは興味深い。
「今も多くの住民が暮らしている一番の理由は、利便性の高さです。駐車場はありませんが、近くに商店街や公共交通機関があり、病院や街の中心部にも近い」(牛田さん)
羽衣団地のすぐそばには商店街があり、静岡市の中心街にも歩いて行ける。静岡市役所や静岡県庁も徒歩圏内で、静岡駅へもバス1本でアクセスできる。周辺の家賃相場は高いものの、羽衣団地の家賃は近隣に比べて割安だ。建物が古くても、立地の良さに魅力を感じる人は少なくないのだろう。
静岡市まちづくり公社では月2回程度、見学ツアーを開催している。当時の面影を残す施設を見学できると人気を集めており、歴史的な建物として、建築の専門家や学生が訪れることも多いという。
(取材・文=三浦徹/ライター)
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