著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

相次ぐ治験失敗…大塚ホールディングス「特許の壁」克服戦略の前途多難

公開日: 更新日:

 うつ病や統合失調症の治療薬「レキサルティ」などを牽引役に5600億円の増収効果を生み出し“壁”を克服していく計画で、28年12月期で売上高2.5兆円(23年12月期比約24%増)の目標も掲げる。

 だが次代を託す新薬開発の現況は芳しいとは言い難い。14年に35.39億ドル(当時の為替レートで4200億円)で買収した米アバニアファーマシューティカルズが進めていた認知症の行動障害抑制薬候補「AVP-786」は最終治験に失敗して今年5月に開発断念を発表。23年12月期と24年12月期に各1000億円の減損を計上するハメにも追い込まれた。

 住友ファーマとの共同開発で「大型新薬」との呼び声もあった統合失調症治療薬「ウロタロント」も昨年7月に治験失敗が表面化。業績大幅悪化で「研究開発費が尽きた」(事情通)形の住友ファーマは今年3月、案件から手を引いた。大塚HDが単独で開発を続けるものの商業化の行方は見通せない。

 大塚HDの財務は今のところ盤石だ。手元資金も3月末で4000億円を超える。市場からは大型のM&Aを催促する声がしきりだ。

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