「緑茶王国」静岡の生き残り戦略…海外展開に明るい兆し、1本2万円超の高級ボトル茶も話題に

公開日: 更新日:

 日本が誇る緑茶は、世界的な日本食ブームやヘルシー志向などが相まって輸出量は大幅に伸びている。しかし、国内需要はコーヒーに取って代わられ、右肩下がり。生産量は1975年の10万5000トンをピークに、2022年は約3割減の約7万8000トン。栽培面積も約3万ヘクタールに半減したほか、茶農家は約10万戸で59年のピーク時から10分の1以下だ。厳しい状況をバネに、頑張っている茶農家もある。

  ◇  ◇  ◇

 緑茶の産地として知られる静岡県島田市は7月2~8日、JR東京駅で「推し活は茶畑で。」を開催した。「島田市緑茶化計画」のオリジナルブランドである7種の緑茶や緑茶ハイ、7種の緑茶ソフトクリーム、7種の緑茶パフェなどから、“推し緑茶”との出合いを提供するイベントで、地元の銘菓や酒なども展示販売し、緑茶を中心に島田市をPRしていた。

 そこでお茶を販売していたのが、お茶農家の前川亜希子さん(45)だ。元々は夫とともにデザイナーをしていて、東京と島田との2拠点生活を続けていた。そんな生活を見直すキッカケになったのが、2020年から急速に広がった新型コロナウイルスで、2年前に島田市川根町笹間に移住したという。

「笹間の景色と人がとにかく気に入りました。中でも家から見える茶畑の景色がとてもキレイで。茶畑は自然の恵みでもあり、農家の方が美しく整備した努力の結晶でもあります。そうやって育まれた茶畑が新茶の時季を迎えると、なんともいえない、いい香りがするんです。だけど、後継者がいなくて茶畑をやめてしまう人が多いのも事実。『やめないでください』と農家の方に伝えたら『じゃあやれ』と言われてしまって(笑)」

 もちろん、前川さんに茶農家の経験はない。それでも茶畑を引き継ぐにあたり、元の先輩農家のサポートを受けながら、この2年で何とか形になってきたそうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差