シャープはキャラAI「ポケとも」で世界へ 急成長するコミュニケーションロボ市場が話題
では人型は実用化されないのだろうか。完全な等身大ロボットはコストや技術の制約から現実性に乏しいが、例外は「癒やし」や「愛着」を目的としたコミュニケーション型だ。ソニーのペット型ロボット「AIBO」が典型だ。99年に初代が登場し、累計15万台以上を販売。2014年に修理サポート終了が発表されると「ペットの死」と受け止めたユーザーが葬儀まで行う騒動となった。
この種の国内の有力メーカーとしては2社が際立つ。ひとつはスタートアップのGROOVE X。19年に発売したLOVOTは「役に立たない、でも愛着がある」をコンセプトに、体温を模したぬくもりや抱き上げ反応を実装。1台税込み約35万円と高額にもかかわらず、介護施設や高齢者世帯で導入が進み、利用者数は累計数千世帯に上る。
もうひとつがシャープである。16年に登場した小型ロボット電話「ロボホン」は、スマホとロボットを融合させた製品として話題を集めたが、価格が20万円前後と高く普及は限定的だった。今回の「ポケとも」はその反省を踏まえ、アプリのみでも楽しめる仕組みを採り入れた点が新しい。