「スノーピーク」再生を巡る米投資ファンドの思惑…元スタバCEOが新社長に就任
ベインの狙いは?
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MBOでは、米投資ファンドのベインキャピタルが約350億円を投じて株式を買い集め、現在、ベインが55%、創業家が45%を保有する構図だ。スノーピーク側は、「非公開化で経営の自由度を高め、国内事業を立て直すとともに海外事業を強化する」と説明する。
では、ベインが狙うのは何か。
「ベインはスノーピークのブランド価値と海外展開力に注目したとみられる。今後、日本同様に認知度が高まり、業績が回復すれば、第三者への売却で大きなリターンを得られる可能性が高い」(M&A関係者)
実際、ベインは、06年にMBOで非上場化したすかいらーくの株式を11年に取得、経営改革し再上場した後、17年に売却した例もある。直近では総合物流大手・日新のMBOで895億円を出資している。
スノーピークは今後、弱点だったアパレル事業を強化するほか、米中など海外での直営店を拡大する方針。キャンプ場など体験型施設への投資も強化する。ピーク時の売上高を再び超えられるか。水口氏の経営手腕が問われている。
(ライター・山口伸)