“高市トレード”再燃で日経平均4万9000円突破も…国民不在の「ネオ・アベノミクス」で生活苦は加速する
■安部政権とは異なる経済環境
「いわゆるサナエノミクスはアベノミクスの二番煎じと見られがちですが、似て非なる代物。ネオ・アベノミクスと言ったほうがいい。3年超も続く物価高騰で弱り切った国民生活にトドメとなりかねないからです。当時とは経済環境が全く異なる。第2次安倍政権発足前は1ドル=76円台まで円高が進み、企業は円安誘導を求め、メディアは『円高デフレ』と批判。世論も円高修正を容認しましたが、想定は120円台程度だった。この間、名目GDPは6.2兆ドルから4兆ドルに目減り。通貨安の恩恵を受けるのは市場や企業、金融資産を持つ富裕層だけ。国民には円安物価高の重しだけがのしかかっています」
帝国データバンクによると、2025年度上半期の物価高倒産は488件。集計を始めた2018年度以降で最多を更新した。
「防衛費増額に前のめりの高市氏が安保関連3文書の改定に動き始めたのは、来週来日するトランプ大統領へのプレゼントでしょう。もっとも、トランプ氏は財政赤字につながるドル高を嫌い、ベッセント財務長官を通じ、日本に利上げ圧力をかけている。円安政策を継続しようものなら、15%で決着したトランプ関税をひっくり返されかねない。そうでなくても、高市氏は5500億ドルの対米投資に難癖をつけ、危なっかしい」(斎藤満氏)