秋田・岩手で過去最高の水準…クマ被害と住宅着工激減の構造的な関係

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 大手ハウスメーカーのOBは語る。

「秋田の年間着工の規模は、大手アパートメーカーの首都圏にある支店一つでこなす件数と大差ない。住宅供給がここまで細る地域では、空き家や耕作放棄地が増え、生活圏と山林を隔てる境界の機能が弱っているのは間違いないだろう」

 その意味で、住宅を建てる行為そのものが境界の更新になってきたとも言える。その更新が止まった土地では、野生動物が人間の生活圏に入り込みやすくなり、結果として、クマとの遭遇リスクが跳ね上がる可能性がある。しかし現状では、クマの出没地域の不動産会社では、柿の実をもいだり、草木を刈り込み、餌場になり得る要素を減らすなど、日常的な対策に取り組むしかないのが実情のようだ。

 不動産仲介コンサルタントの南智仁さんは語る。

「不動産業界には、クマの出没リスクを適切に開示し、安全性に配慮した物件づくりが求められている。防護設備の整備に加え、自治体や住民と連携した情報共有や教育も不可欠。地方物件の価値を維持するには、自然との共生と安全性の両立が避けて通れないテーマです」

 クマ問題は、もはや生態系の領域に収まる話ではない。地域の安全そのものを揺るがしかねない課題になりつつある。人口が減り続ける社会では、これまで想定してこなかった問題に向き合う必要がある。

ニュースライター・小野悠史)

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