優勝戦線に残留も…稀勢の里「初V」に相撲ファンは半信半疑
大関が大関を破る――これを番狂わせと言ったら失礼かもしれないが、この男に関しては別だ。
“日本人力士最強”の稀勢の里(29)が13日目(25日)に1敗の照ノ富士を下す、大番狂わせ。立ち合いから攻め立てると、防戦一方の相手を寄り倒した。この取組で全勝はおろか1敗力士すらいなくなり、3敗の稀勢の里も初めての賜杯に俄然近づいた。
しかし悲しいかな、事ここに至っても多くの相撲ファンは「でも、どうせ負けるよ」と半信半疑なのだ。
確かに稀勢の里は強い。
10年には白鵬の連勝を63で止め、ファンに「日本人力士も捨てたもんじゃない」と期待を抱かせた。それが肝心な場面となるや、途端に腰の抜けたような相撲になる。これまで優勝争いに加わりながら、自滅した回数は数知れず。今場所も白鵬、日馬富士の2横綱が休場しながら、中盤にコケて3敗。“日本人力士最強”とは褒め言葉ではなく、「どうせモンゴル人には勝てない」という揶揄なのだ。
ある相撲記者は「首から下は角界ナンバーワンと言えますが……」と、こう言う。