作家・神崎京介氏 ゴルフ仲間だった故長友啓典さんを追悼
ゴルフ好きにとって最大の悲しみは、ゴルフ仲間を失うことだ。
3月4日早朝、グラフィックデザイン界の巨星、長友啓典氏が亡くなった。享年77。
突然の訃報だった。
昨年暮れに六本木でお会いした時は体調も顔色も良さそうで、「神ちゃん、暖かくなったら一緒にゴルフやろうね」と誘っていただいた。またその時、「絶版だった『死なない練習』が電子書籍で復活することになったから、もう絶版になることはないんだ」と喜んでもいらした。死を予感させるものは何もなかった。
長友さんのプレースタイルは極めて誠実で真摯なものだった。ゴルフに本気だったのだ。
健康のためにたしなむという程度の関わり方ではない。スポーツとして本気で取り組んでいるからこその向上心と闘争心があった。それがひしひしと伝わるから、長友さんとのラウンドは楽しく清々しい気持ちになったのだ。
長友さんの弱点はバンカーだった。わたしもバンカーが大の苦手だったので、顔を合わせるたびに技術的な情報交換をさせてもらっていた。