著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

気になる“引退後” 伊達公子は「キング夫人」になれるか

公開日: 更新日:

「斜めに立てかけた腹筋台で何十回も繰り返していた女がいる。誰かと思ったら、伊達だった」

 今年の全米オープンで引退を聞いた日比野菜緒は驚いたという。

「サウナと水風呂を交互に3時間以上も入る。体にいいからって、松葉杖をついて。私は頑張っても1時間で出ました」

 女子テニスの魅力、スキャンダラスな面でも伊達は突出していた。世界で勝負するかたわら、日本テニス協会の男体質に反発し、俳優と浮名を流し、結婚もしたし離婚もした。熟年女性に圧倒的な支持を持っているのはその反骨精神で、テニス界の爆弾娘だった。

 気になるのは今後の活動だ。批判的だったとはいえ、協会はランキングが落ちても強化選手に残し、東京・北区のナショナルトレーニングセンター(NTC)を練習拠点に提供。今回も協会主催のジャパンウイメンズオープンに推薦枠を与え、花道を用意している。

 4期目に入った畔柳信雄会長は女性登用に積極的。やはり“爆弾娘”として知られた平木理化を常務理事に抜擢し、協会内にとぐろを巻く保守派を牽制している。東京オリンピックを控え、ドル箱の錦織圭に陰りが出ているだけに、伊達を起死回生の改革材料にするのではないか。

 協会保守派とともに、伊達を「オバさん」と呼んで避けてきた一部の御用記者は戦々恐々としている。そもそもテニスは他の競技に例がない男女共同参画で進化した競技。伊達には日本のキング夫人になるつもりで暴れて欲しい。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去