著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

ラグビーW杯悲願の8強 日本が打ち破った伝統国の“差別”

公開日: 更新日:

■映像判定TMOはNZと南アの人間

 しかし、世界の壁を乗り越えることは、決して容易ではなかった。

 スコットランドは、最後まで諦めることなく、激しく抵抗を続けた。

 レフェリングにも試合前から、懸念があった。

 なにしろレフェリーや映像判定を受け持つTMOが、日本が2位通過した場合に対戦するニュージーランドと、南アフリカの人間だったのだ。これでは完全な中立とは言いがたい。

 しかもTMOには、フランスやフィジーのトライを、いくつも「幻」にした“前歴”がある。

 伝統国のスコットランドをベスト8に残す――実際、試合ではそんな“見えざる手”も働いたように見えた。今大会で連発されたカードが、この試合では一枚も出なかったのだ。

 出すべき場面が皆無だったわけではない。

 前半29分には、ボールを持った堀江翔太の顔面にスコットランドのジョニー・グレイが頭からタックルをかます。しかも、腕が首にかかり、イエローカードの要件を満たしていた。しかし、TMOで下された判定は「グッドタックル」で、反則にすらならなかった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」