人権団体も問題視する「五輪開催国」日本スポーツ界の闇

公開日: 更新日:

日大ラグビー部の虐待コーチには余罪ゾロゾロ

 案の定、余罪がゾロゾロと出てきた。

 日大ラグビー部の前ヘッドコーチ(HC)による、部員への常軌を逸した暴行問題。すでに、未成年部員に対する飲酒の強要、丸刈りの選手の頭に7本ものつまようじを刺すなどの所業を繰り返していたことが明らかになっているが、そんなパワハラ行為が部外に伝わったと知るや、部員に対してLINEで【チクったやつ殺してー】【家族も追い込む】【友達のヤクザに犯人探させようかな】【家族全員にシャブ打って人生狂わせたいわ】などと、とんでもない恫喝メッセージを送っていたというから、正気の沙汰ではない。

「今年3月に辞任したこのHCは、複数の大学でコーチ経験があり、その経験と実績を買われ、外部から招聘された他大学の出身です。熱血漢、と言えば聞こえはいいが、言動も振る舞いも荒っぽく、我が物顔で部を仕切っているものだから、眉をひそめるOBが少なくなかった。鉄板で熱くなったヘラを部員の腕に押し付ける、酒に酔って部員同士に殴り合いのケンカを強要する、とすでにさまざまな話が取り沙汰されていますが、ほかにも練習中に手や足が出るのは日常茶飯事。それで選手が流血してもお構いなしだったと聞いた。寮の自室に部員を呼びつけては、テキーラやウオッカなどアルコール度数の高い酒をビールや焼酎で割ったスペシャルドリンクを一気飲みさせる。さすがに我慢の限界に達した部員が意を決し、今年2月に『解任要求』を提出することになったのです」(事情を知るOB)

 日刊スポーツの記事によれば、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は今回の件に関し、「スポーツをやる資格があるのか。決して許されることじゃない」と激怒。JOCのトップとしてスポーツ界の暴力根絶に力を入れているだけに当然の反応だが、残念ながら指導者や組織によるこの手の暴力、パワハラが日大ラグビー部に限った話でないことは周知の通りである。

 同じ日大では2018年にアメフト部の悪質タックル問題が社会問題に発展。女子レスリング体操界で選手によるパワハラ告発が相次ぎ、日本ボクシング連盟の会長による不祥事も世間を大いに騒がせた。昨年もテコンドー協会の内紛、大相撲の力士による付け人への暴行とスキャンダルの連鎖が止まらず、果てはプロ野球でも広島の緒方監督が選手を平手で殴打する暴力行為が発覚。つい先日も大相撲の中川部屋で弟子へのパワハラが問題となって親方が処分されるなど、挙げればキリがない。

 相変わらず高校野球をはじめとする学生野球の現場でも暴力、暴言が繰り返され、ヒマさえあれば監督やコーチが謹慎、解任されている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも