錦織圭が1年ぶり白星も…今年中の完全復活が困難な根拠

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「(1回戦負けの)復帰初戦と比べると、2倍くらい良かった。いまは何より勝つことが大切。試合を重ねれば自信も戻ってくる」

 昨年8月下旬の全米オープン以来、約1年ぶりの勝利を手にした錦織圭(30=世界ランク35位)がこう言った。

 14日、テニスのイタリア国際男子シングルス1回戦でアルベルト・ラモス(同44位)に6―4、7―6でストレート勝ち。右肘手術新型コロナウイルス感染で実戦から遠ざかっていただけに「ホッとしたところが大きい」という。

 この日はネットに14回出て、そのうち12回でポイントを獲得。

 サーブ&ボレーを含め、積極的にネットに出た錦織を視界良好とみる向きもあるが、「最近のテニスはネットプレーができないと勝てない。あのナダルですら積極的に前に出るようになったし、錦織はそれ以前からネットプレーに力を入れています。それより、いまの錦織に必要なのは自信と心身のスタミナですよ」と、スポーツライターの武田薫氏がこう続ける。

「ショットはベースライン、サイドラインギリギリに打ち込むのが理想ですが、そこにコントロールするためには自信が必要なのです。実戦から1年近く離れている錦織は少しでも多くの試合を経験して自信を取り戻す必要があります。試合の最後まで集中してプレーするためのスタミナも欠かせません。この日の錦織を見ていても、終盤になると動きが悪くなり、集中力が落ちてしまう。コロナで全米と、その前哨戦に出られなかったのは大きな痛手。今年中に自信とスタミナを取り戻すのは難しいかもしれません」

 本人は試合を重ねれば自信も戻ってくると言っているし、今年は錦織にとっての準備期間と見た方がよさそうだ。

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