著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

コロナ禍で明暗分かれたMLB レ軍は1780億円新球場が水の泡

公開日: 更新日:

■1800億円かけた新球場が無駄に

 逆に損したのはレンジャーズだ。レ軍は17億ドル(約1780億円)かけて建設した新球場で2020年シーズンを迎えるため、大型補強を敢行。地区優勝の最有力候補と見なされ、選手たちも春先は大いに気合が入っていた。ところが、コロナ禍で開幕が4カ月延びて選手たちは気が抜けたようになり、7月24日の開幕後は、レギュラー陣がそろってスランプに。立て直しにも失敗したため22勝38敗と惨敗した。球団もシーズンが60試合に短縮されたうえに、すべて無観客で行われたため、320万人前後と見積もっていた観客動員が皆無になり、コロナに完膚なきまで叩きのめされた年になった。

■マイナーの球場を本拠地にしてプレーオフ進出

 唯一のカナダのチームであるブルージェイズは同国政府が開幕直前に米国から入国するチームに2週間の隔離措置を課す決定を下した。これによりカナダで試合ができなくなり、7月24日の開幕から18日間、すべて敵地で戦う放浪生活を強いられた。ブ軍は他のメジャー球団の本拠地を間借りしてホームゲームを行うことを検討したが、これもコロナ感染の拡大につながるとして拒否され、仕方なく3Aの球場セーレンフィールドをホームにして戦わざるを得なくなった。しかし、この苦渋の選択はブ軍を大いに助けることになる。セーレンフィールドは常に強風が舞う田舎球場である。相手チームは強風に翻弄されて守備でエラーを連発。投手陣も制球を乱すためブ軍はホームで勝ち星を重ねてレギュラーシーズンを突破した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到