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後藤逸郎ジャーナリスト

1965年生まれ。毎日新聞大阪経済部次長、東京本社特別報道グループ編集委員などを経て現職。著書に「オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側」(文春新書)。

日本の対策は抜け穴だらけ…訪日外国人がもたらす感染爆発

公開日: 更新日:

 だが、日本の14日間待機は要請にすぎず、義務ではない。入国規制も緩く、緊急事態宣言再発令に伴いようやく新規入国を全面停止した。その結果、入国者が待機期間中に会食などで出歩き、英国や南アフリカの変異株の感染を招いた。その日本が外国人の2週間待機を免除する理由は「観戦の支障になるため」だ。

 政府は外国人に対し、新型コロナウイルス接触確認アプリ「ココア」や開発中のアプリ登録を入国査証に義務付けて感染対策とする。だが、入国後にアプリを使わなければそれまでで、予防効果は期待できない。

 組織委の販売済み観戦チケットは約360万枚で、約100万枚が海外販売分だ。厚生労働省によると、昨年3月から今年1月の訪日外国人約42万人のうち、空港検疫でコロナ感染が確認された外国人は1328人。出国時の陰性証明があってこの数字だ。

 日本は新型コロナが未収束で、外国人が来日後に感染するリスクも否定できない。

 オリンピック観戦外国人を約100万人と仮定しても、数千人規模の感染者の一部が入国することを防げない。組織委がコロナ前に想定していた観客はオリンピック780万人、パラリンピック230万人だ。内外の感染者の集合は、感染爆発の火種に他ならない。

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