松山英樹は「職人気質で寡黙」女子プロ桒原えりかが語る

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 パーティー会場で当時16歳、高校1年生だった松山英樹(29)は誰と話すでもなく、ポツンとひとり、壁際にたたずんでいたのだという。

「私から『名前なに?』『若いね!』と話しかけました(笑い)」

 松山との最初の出会いを振り返るのは女子プロゴルファーの桒原えりか(31)だ。2008年にナショナルチームに選出された2人は、同時に国際大会へ派遣されていなくても、関係者の開催するパーティーで顔を合わせる機会があった。

 その頃のナショナルチームの女子は桒原を含めた若い世代が多くを占めていたが、男子は大学生以上の選手がほとんど。松山は明徳義塾高1、2年時に担任だった佐藤洋教諭が「控えめでおとなしい印象だった」と語るように、もともと周囲と積極的に交流しようとする性格ではなかった。

SNSでアドバイス

 それでも、「話しかけられたら嫌そうな様子はまったくなくて、照れながらも会話をしてくれますよ」と、桒原はさらにこう続ける。

「なにより、とても丁寧な人です。私がパッティングで悩んでいた時期に、当時アメリカに渡ったばかりの松山くんにSNSでメッセージを送って、アドバイスを求めたんです。すると、自分も忙しくて大変だろうに『僕ならこうするよ』と、すごく細かく丁寧な文章を送ってくれました。面倒見がいいんだなと思いましたね。その人柄は外国でも評判なようで、4年ほど前、ゴルフのためにハワイへ行ったときのこと。コースで話す機会があったブレント・グラント選手(25=アメリカ)が、『日本人なら英樹と知り合い? すごくフレンドリーで良いやつだね』と言ってくれたほどです」

 松山といえば、かつては同学年の石川遼と比較されることが多々あった。高校時代から「ハニカミ王子」として一足先に全国的な知名度を得た石川と、派手さこそないが黙々と結果を積み重ねてきた松山。

「どちらも同じくらいゴルフに真面目なようにお見受けしますが、私からは遼くんは華やかな雰囲気があり、人前に出るのも楽しそうに見えます。一方、松山くんは職人気質です。『寡黙』という言葉がピッタリで、周りに流されることなく我が道を行くという感じ。私が大会で東北に行ったとき、たまたまコースで松山くんが練習していました。『松山くーん』と呼びかけたら、振り向いた彼の口の周りには何かがついていて……。それを指摘しても、『あ、本当ですか』とだけ言って、あまり気にする様子もなく、そのまま練習に戻っちゃって(笑い)。かなり衝撃的でしたが、今となってはそれほど集中して取り組んでいたんだなと、納得です」(桒原)

 今回のマスターズ優勝で日本国内はもちろん、世界中に大きなインパクトを与えた松山。「世界一」ともいわれる圧倒的な練習量で愚直にゴルフと向き合ってきたからこその快挙だった。

【連載】マスターズ制覇 松山英樹「現在・過去・未来」

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