巨人に緊急トレード急浮上…投手枯渇がハッキリ、ターゲットはパ・リーグ4人の実力派

公開日: 更新日:

「投手の台所事情が苦しいことが改めてハッキリしましたね」

 巨人OBがこう言った。

 5月31日、巨人の井納翔一(36)が今季初めて一軍へ昇格したことに関してだ。井納はDeNAからFAで巨人入りした昨季、0勝1敗、防御率14.40と全く振るわず、今季も二軍暮らしが続いていた。

■“構想外”井納の一軍初昇格でハッキリ

 冒頭のOBが言う。

「原監督は井納の獲得時に『150イニングは投げてほしい』と期待を寄せていたが、昨年3月、ジャイアンツ球場での練習中に自身の不注意によって球場入り口の鉄柵に頭部を打ち付け、8針を縫う大ケガ。チームは開幕ローテの再編を余儀なくされたうえに、初登板の試合で2回途中4失点KOと精彩を欠いた。落胆した原監督はその1試合で二軍降格させ、その後は一軍でも敗戦処理扱い。今季は二軍でリリーフとして11試合に登板、3勝0敗、防御率2.67だったものの、原監督の構想から外れたともっぱらでした」

 しかし、今の巨人はそんな投手を一軍へ上げざるを得ないくらい、投手陣に不安を抱えている。

 井納が担う救援陣は、昨季の守護神・ビエイラが二軍で徐々に調子を上げているとはいえ、リリーフに転向した山口俊は5月26日のファームの日本ハム戦で八回から登板した際、1球投げただけで緊急降板。故障の可能性が高いとみられる。

■勝ちパターンがない

「昨季、勝ちパターンのリリーフを担った中川、田中豊は故障で1試合も投げていないし、鍵谷も三軍で投げ始めたばかり。井納昇格は苦肉の策と言うしかない」(前出のOB)

 先発もしかりだ。菅野、戸郷、メルセデスに続く4番手は右肘の手術明けの山崎伊が間隔を空けながらの登板が続いている。

 この日のソフトバンク戦で来日初登板、初先発をしたアンドリースは6回無失点と好投したが、外国人枠の兼ね合いでシューメーカーとの併用になるだろう。5、6番手は流動的な状態だけに、巨人周辺では「この日はリリーフが打ち込まれての敗戦。若手が成長してくれれば言うことないが、現状は厳しい。緊急トレードに動く可能性が高い」との声が聞こえ始めている。

「先発、リリーフ両面で投手の調査を続けていると聞いています」とは、別の巨人OB。

「交換要員は、二軍暮らしが続いているウィーラー(35)、重信慎之介(29)あたりになるのではないか。巨人の助っ人野手は、ポランコ、ウォーカーで固定。2人とも外野手で両翼を守り、中堅には丸がいる。昨季、135試合に出場した松原ですらスタメンを外れている状況です。ウィーラーは今季こそ結果を残していませんが、実績は十分。重信も今季は一軍出場ゼロながら、足の速さはもちろんシュアな打撃も健在。2人とも二軍に置いておくのはもったいない選手です」

狙うは実績あるパ・リーグの面々

 では、巨人が狙っている投手は誰か。

「パで実績があり、チーム事情によって出場機会が少ない投手は、日本ハムの金子千尋(38)、楽天の福山博之(33)、オリックス増井浩俊(37)あたりです」(某球団編成担当)

 金子は2014年に沢村賞を獲得するなど、通算130勝の実績があるが、日本ハムは新庄監督の下、チームの若返りを図っている。

「長距離砲のウィーラーはまだしも、重信は足があってシュアな打撃は健在。潜在能力が高く、新庄監督好みの選手と言えます」(前出の編成担当)

 楽天の福山は中継ぎとして通算373試合登板で102ホールドをマーク。昨季は18年以来となる20試合以上(24試合)に登板し、2敗4ホールド、防御率2.38とまずまずの成績ながら、今季はここまで一軍登板ゼロ。オリックスの増井も通算158ホールド、163セーブを挙げ、セットアッパー、抑えとしての実績は十分だが、こちらも今季の一軍登板はない。放送関係者が言う。

「福山も増井も、今季は二軍での成績もイマイチですが、球のキレは悪くない。環境が変わればやれる力を秘めているとみています。楽天、オリックスはともに打撃強化が課題で、助っ人野手もパッとしない。ウィーラーも重信も、十分に戦力になるでしょう」

 ソフトバンクの動向も注目されている。

「ソフトバンクの外野手は、栗原、上林が故障で離脱。外野手は喉から手が出るほど欲しい。なかでも重信は、早実高、早大出身で王球団会長の高校の後輩に当たりますから、興味を持っているはずです。交換要員の候補になりそうなのは、左腕の大竹耕太郎(26)あたりでしょう。18年に育成から支配下登録されるや3勝。翌19年に5勝を挙げたものの、近年は伸び悩み、今のところ一軍登板がない。投手の戦力は揃っているだけに、よほどの力がなければ出番は限られるでしょう。まだ26歳と若いですし、巨人なら十分にチャンスはあるでしょう」(パ球団関係者)

 巨人は昨季途中、日本ハムで暴力事件を起こした中田を無償トレードで獲得してアッと驚かせた。今季も動くか……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  3. 8

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  4. 9

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 10

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?