著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ベルギー1部の伊藤涼太郎は「短期間で新天地に行けるようにしたい」と野心を露わにした

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伊藤涼太郎(シントトロイデン/MF/25歳)

「欧州の中で日本人選手が存在感を放って活躍しているなと思いました」

 9月26日に欧州視察から帰国し、報道陣の前でこう語った日本代表の森保一監督。その最たる存在が今夏ベルギー1部・シントトロイデンへ赴いた伊藤涼太郎だろう。

 彼は指揮官が訪れた9月17日のメヘレン戦で新天地初ゴールをゲット。「森保さんが来ると聞いていた中、自分がベルギー初得点を取れた。すごく嬉しかったですね」と素直に喜んだ。苦労人のファンタジスタの10月代表選出はあるのか?

 佳境を迎えつつある2023年J1だが、序盤戦の話題をさらったのが、6年ぶりにJ1に復帰したアルビレックス新潟の快進撃だった。

 けん引役となったのが、今季前半7ゴールを挙げた伊藤だ。

「松橋(力蔵)監督は本当に自分のプレースタイルに合うサッカーをしてくれたし、いい意味で自由を与えてくれた。『悔しい気持ちや不完全燃焼感を本当の意味でぶつける場所はピッチ上しかない』と言い続けてくれて、常に背中を押してくれた」と自分を理解してくれる指揮官との出会いが大きかったと彼は言う。

 新潟に至るまで伊藤は浦和レッズを皮切りに、水戸ホーリーホック、大分トリニータとレンタルを繰り返し、6年間を費やした。

 その間、同い年の三笘薫(ブライトン)や前田大然(セルティック)は大きく羽ばたき、東京五輪やA代表に上り詰めた。彼は焦燥感と悔しさにさいなまれた。

「三笘選手のことは僕が水戸にいた頃、筑波大学と何度か練習試合をさせてもらった関係で知っていました。でも当時は今ほど別格ではなかった。それが2020年に川崎入りしてから一気にブレイクした。『俺は一体、何やってるんだ』と焦りを感じましたね。2021年の東京五輪、去年のカタールW杯でも彼ら同世代の面々が強豪国と互角に渡り合っていた。『このままじゃいけない』と思ったのは確かです」

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