著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感

公開日: 更新日:

 そうした環境の変化を率直に感じたようだ。テニスだけではない。駅伝マラソンで、厚底シューズの開発競争により記録の概念が変わったことは以前に書いた。

 記録だけではない。8月にメキシコシティーマラソンで参加者の3分の1、1万1000人が“不正ゴール”とのニュースが流れた。大阪、名古屋と同じ世界陸連ゴールド大会だから何か手違いだろうが、マラソン歴40回の元メキシコ大統領候補のコメントが面白かった。

「今のマラソンは、参加者全員が絶対ゴールしようと考えてスタートするわけじゃない。日頃の練習をしっかりした条件で確認する、雰囲気を味わう、参加賞が欲しい、いろいろいるんだ」

 ひたすら「オリンピック代表」を連呼する日本のスポーツメディアは、こうした変化、多様化にはついていけないようだ。その証拠に、ジャパンオープンの会場は大会史上最高の観客で埋まったが、プレス席だけはガラガラだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差