「野球と暴力」の著者に聞く 安楽パワハラ問題と高校野球強豪校“勝利至上主義”の関係

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野球界からパワハラをなくすために

 ──野球という競技とパワハラの関係は?

「野球は1人ではキャッチボールもできない。人との関わりが強く、他の選手のミスが自分のミスになったりする。例えば、駅伝の場合、タスキはつなぐけど、基本的には自分が速く走ればいい。テニスなどの個人競技とは違い、野球は人との関わりが強いため、人間関係を熟成させようとすると、摩擦も生じてくる。あとは古い連帯責任の名残もあるでしょう」

 ──野球界からパワハラをなくすためには、どうすればいいか。

「お手本は社会人野球ですね。昔はあったけど、今はほとんど根絶されている。上場企業のチームには、会社の理念があってコンプライアンスもある。もしルールを破れば、会社にいられなくなるのは当然で、廃部になる可能性もある。プロよりはるかに社員教育が徹底しています」

 ──楽天は安楽を自由契約にした。

「もし飛行機事故が起きれば、その原因を世界中の航空会社が共有する仕組みがあると聞きます。明日は我が身かもしれないからです。『くさい物にフタ』で終わらせてはいけません」

(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)

▽元永知宏(もとなが・ともひろ) 1968年、愛媛県大洲市生まれ。大洲高から立大。野球部4年時に23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、現在はフリーランス。著書に「プロ野球で1億円稼いだ男のお金の話」(東京ニュース通信社)などがある。

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