人口減少が大学マイナー競技を直撃…箱根駅伝V2度の神大は“広告塔”になれる運動部に予算集中

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 突然、推薦枠を取り上げられた空手部の場合、現在の部員はたったの5人。空手部以外も入部者がいなくなれば、やがて大会に出場することができなくなり、廃部に追い込まれるのは必至の情勢だ。早い話が大学側は、経営に寄与しないマイナー競技は切り捨てて、駅伝などの“広告塔”になる運動部に予算などを「集中」させたいのだろう。

 今回の決定により推薦枠がなくなったある部のOBは「多様性を認めず、一部の活動を排除する制度は時代に逆行し、かえって大学のイメージダウンを招く」と憤る。大学側に決定の見直しを求める嘆願書を出したが、現時点で対応は変わっていないという。

 だが、これは神大に限った話ではないだろう。

 文部科学省は今年7月の中央教育審議会大学分科会で、今後も18歳人口が減り続けることで2040~50年度の大学入学者数は、現在の約63万5000人から13万人も減少し、50万人前後で推移すると試算した。

 地方ではすでに学生の募集を止めた大学も複数出て、今後は大学の規模縮小や再編などの動きが加速すると見られている。それ以前に、部活動の見直しも当然行われるはずで、マイナー競技の切り捨ては全国の大学に広がっていくことになるに違いない。

 大学駅伝などはますます栄え、人気のない競技は高校や大学から消えていく運命なのか。

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