(1)身内すらも“監視し欺く”情報統制…機密流出犯には厳罰、まるで落合博満監督のよう

公開日: 更新日:

情報漏洩で懲罰降格

「普段はニコニコしているけど、本音は言わない。食えないやつだよ」

「現役の時とは全然変わってしまったなぁ」

 こう言って苦笑いを浮かべるOB、評論家は少なくない。

「話をするのは野球論など、一般的な話ばかり。チームのことになると途端に口が堅くなる。中日監督時代の落合博満(2004~11年在任)みたいだよ」とは、古株の評論家だ。

 中日時代の落合監督もチームの戦略、作戦に関する情報漏れに細心の注意を払った。情報が外部に漏れれば犯人捜しをした。

「藤川監督も特に一、二軍の選手の入れ替えについてはシビア。試合当日の午後3時にNPBから公示が出るまでは外部に明かさないほどです。そんな中、今季、ある若手選手の一軍昇格が一部メディアに報じられたことがあった。情報が漏れたことで、チーム内で犯人捜しが行われた。その選手は即刻二軍落ち。以降、一度も一軍に昇格していない。選手自身が漏らしたことによる懲罰だと、もっぱらです」(前出のOB)

 一方、就任当初から一、二軍間のコミュニケーション不足を指摘する声がある。

 藤川監督は一軍起用する選手に関して、明確な物差しがある。メディアを通じて、「名前と実績だけの選手はいらない」と話したこともある。

「二軍からの『一生懸命頑張ってるから使ってくれ』という推薦には一切、耳を貸さない。メジャー経験がある藤川監督はあくまでデータ重視。今後の対戦相手の兼ね合いなども加味して、独断で一、二軍の入れ替えを判断しているという。情報管理の一環もあるそうです。出場選手登録、抹消情報が二軍から流出していることを懸念していたと聞きました」

 ライバル球団の首脳陣からは「阪神の選手起用についてはなかなか把握しきれず、対策に苦慮した」との声も聞こえてくる。

 敵を欺くには身内から……。メディアやOBはともかく、選手やコーチ陣をも監視し、時に欺く。

 こうしたシビアな「藤川流マネジメント」が就任初年度の戴冠を支えたのは確かだ。 (つづく)

  ◇  ◇  ◇

 藤川監督といえば、昨年暮れのタイガース杯ゴルフでは酒も手伝ってか、巨人に対し「ただならぬ発言」をしていた。球団サイドはさすがにマズイと思ったのか、報道陣に当該部分の掲載自粛を要請。結果的に世間の目に触れることはなかった。いったい藤川監督は何を言ったのか。その顛末とはーー。

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