真中満の要領の良さは天下一品だった。付き合い居残りは一切せず、誰が残っていようがさっさと帰った
現役時代は要領の良さも天下一品。練習は効率重視で、自分のやることをパッとやったら、それ以上はやらない。無駄な動きはしない、というのが現役時代の印象です。
一般企業でも「自分の仕事は終わったけど、上司がまだ残っているから帰れない……」ということがあるでしょう。これはプロ野球にもある。キャンプなど、先輩が居残り練習をしていると帰りづらく、結果、だらだら時間を潰す羽目になりがちです。真中は短時間で集中して練習し、終わったら誰が残っていようがさっさと帰る。そうした姿勢が一切ぶれなかったのは凄いですね。
そうそう、現役時代はよく「プロ野球選手に見えない体形」なんて言われたこともあったそうですが……荒井幸雄さんの系譜ですね、あれは。
次回は岩村明憲について話しましょう。彼も若松さんに可愛がられていた選手のひとりです。(つづく)
▼いいだ・てつや 1968年5月、東京都調布市生まれ。千葉県の拓大紅陵高を経て、86年ドラフト4位で捕手としてヤクルト入団。日本一と称された中堅守備と俊足を生かした打撃でヤクルト黄金期を支えた。2006年に楽天で引退。07~13年はヤクルトで、15年から昨季までソフトバンクでコーチを務めた。現役通算1505試合で1248安打、363打点、48本塁打、234盗塁、打率.273。ゴールデングラブ賞7回(91~97年)、92年盗塁王。日本シリーズ優秀選手賞2回(92、93年)。
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