星野監督に「オッサン、ボケー!」と叫んだ逆転3ラン…島野育夫さんの「星野ヤワやなあ」で溜飲が下がった
相手投手はこの回から登板した抑えの福原忍。1ボールからの2球目、直球にバットが反応した。打球はレフトスタンドへ一直線。打った瞬間、本塁打を確信し、振り抜きざまに大股開きのバンザイで歓喜した。
逆転サヨナラ3ラン。右腕をグルグル回しながら一塁へ向かう途中、星野監督のいるベンチに向けてこう叫んだ。
「オッサン、ボケー! 俺を出しときゃ打つんじゃ!」
ダイヤモンドを一周してホームベースで待つチームメートにもみくちゃにされた。監督はなんと目に涙を浮かべていた。このオッサン、何で泣いとるんや?
興奮状態のはずが、俺は妙に冷静だった。“俺の胸に飛び込んで来い”とばかりに両手を広げてきたときは「このままスルーしてやろうかな」とさえ思った。「日本シリーズに出られなくなるし、さすがに問題になるな」と思い、おとなしく頭をなでられたが、顔はソッポを向いた。
直後に出迎えてくれた島野さんから、こう声をかけられた。
「タケ、ようやったな!しかし、星野はワヤやなあ。感極まって泣きよって。おまえに散々言っといて、サヨナラ打ったら泣いとるなんて、アイツも調子ええよな」


















