【スペシャル鼎談 箱根駅伝とはなにか】(前編)国内屈指のメガイベントをOB、作家、ライターが語る

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「ランニングなんて嫌いだったのに……」

 ──箱根駅伝に関心を寄せるようになったきっかけを教えて下さい。

堂場「世代的に箱根駅伝の(全国)テレビ中継はなかったし、在学中は母校の駅伝部は低迷していた。正直に言うと関心はありませんでした。東京・八王子市に住んでいた96年(第72回大会)に(同市にキャンパスのある)中央大が総合優勝したことで興味が湧き、駅伝を題材にした小説を書くようになりました。そしてこんなに(はまってしまうように)なってしまって現在に至る--という感じです。書く! と決めた時から箱根駅伝のことを詳しく調べ、ますますはまってしまいました」

佐藤「サッカーを中心に国内外でスポーツ現場を取材してきましたが、箱根駅伝に対する興味は薄かったですね。青学大が初優勝した第91回大会の後、青学大OBのジャーナリストの集まりで『箱根駅伝の優勝、凄いよね』という話題になって<1年で2日だけスポットライトを浴びる選手は他の日にどんな努力を重ねているのか><何を思って練習しているのか>とランナーの動向に興味を覚え、箱根駅伝にのめり込んでいきました」

 ──そんな佐藤さんが今や熱心な市民ランナーに。

佐藤「ランニングなんて嫌いだったのに……。ある大学生に『取材に来ているのになぜ走らないのですか?』と言われてしまい、カチンときて(笑)走り始めました」

神野「中学生のときに箱根駅伝での駒沢大・宇賀地強選手の走りを見て『こういう選手になりたい』と思いました。背格好も似ていましたし、ガッツのある走りをする選手でしたので『目指すべき選手』と思いました」

 ──箱根駅伝を(2年次から)3回走りました。

神野「(3年次と4年次に)2回の優勝を経験させてもらいました。結果を出しても誰にも見てもらえない競技が少なくない中、全国の人に関心を持ってもらえることの喜びを箱根駅伝で知りました。1年365日で大会の2日間以外の<363日の努力>が、ちゃんと報われる大会です」

 ──堂場さんは、箱根駅伝出場を逃した大学の選手で構成される関東学連選抜チーム(現関東学生連合チーム)を軸にした作品「チーム」を発表し、それから「ヒート」「チームⅡ」「チームⅢ」と続いて、11月13日に「チームⅣ」を上梓しました(いずれも実業之日本社)。

堂場「そもそもスポーツにおいてチームとは何ぞや?と思っているところに箱根駅伝には他のスポーツにはない<関東学連>というチームの存在を知り、より深く考えさせられました」

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