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吉田賢フリーアナウンサー

1960年、広島県尾道市出身。83年にNHKに入社し、87年から大相撲中継を担当。以来、定年退職した2025年5月場所まで、実況アナとして活躍した。高校野球、メジャーリーグ、オリンピックなど相撲以外のスポーツ中継歴も豊富。出身地にちなんで「しまなみ親方」の愛称で親しまれている。

元NHK吉田賢アナが見通す 大の里と安青錦…初めて負け越した彼らの「第2章」

公開日: 更新日:

22歳が直面する初めての壁

 安青錦はこれまでプレッシャーに強いことを証明してきた。横綱大関と、前頭上位の実力者に挟まれる難しい新三役で2桁白星。新関脇で初優勝。新大関でも連続優勝を遂げている。その安青錦をもってしても、この綱取りの重圧は別もので、はね返せなかった。序盤をうまく乗り切れず、かつ3連敗したときには「どうしていいか分からない」と師匠に吐露したという。綱とりとは常人には計り知れないものなのだろう。

 相手力士に研究されたのもある。いかに安青錦の上体を起こすか、対戦相手は練ってきた。甘くなった脇を攻められ、起こされた場面が目についた。

 さらにもう一つ。彼は体を大きくして場所に臨んだ。1月場所以降、稽古をしながら増量し、筋力トレーニングも続けたようだ。私も現地で土俵上の安青錦をみて、体に厚みが増していて、背中も筋肉で盛り上がっているのに驚いた。

 しかし同時に感じたのは、大きく重くなったその体に、彼自身が慣れていないのではないか、ということだ。稽古で番数をこなすタイプでないこともあって、大きくなった上体と自身の感覚がまだ合致しておらず、それが存外のもろさにつながったのではないだろうか。

 こうして今、超スピードで番付を駆け上がってきた22歳が、初めて壁に当たっている。心の揺らぎ、大きく重くなった自身の体、相手からの研究に足のケガ──。これらにいかに対処するか。5月場所までまだ1カ月ある。求道者・安青錦なら、やがて乗り越えるだろう。

 むこう10年は角界を背負うだろう2人の第2章に期待したい。

(構成=山家圭)

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