中村敬斗〈前編〉中1でやってきた中村は「ミスター貪欲」だった(三菱養和サッカースクール・生方修司)

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「努力の姿勢に頭が下がった」

 ──中村はU-15世代から年代別の日本代表にも選ばれていました。

「ゴリさん(森山佳郎=仙台監督)のチームで建英(久保=レアル・ソシエダ)を筆頭に良い選手が多かったので、本人も呼ばれるたびにルンルンで行っていました。敬斗は、建英のいたFC東京U-15むさしとU-15代表合流前に関東リーグで対戦して、カットインシュートとFKで2点決められて負けていたので、負けじ魂がメラメラと燃えていたと思います。でも一緒にプレーするようになって、リスペクトしあう関係になった。敬斗はFWやサイドで起用されていたので、2人は縦横の関係を形成し、好連携を作り上げていきました。2023年6月のエルサルバドル戦で日本代表にデビューした時も、建英のアシストで点を取っていますよね。ゴリさんのチームから何人も日本代表に入っているので、敬斗もやりやすいでしょう」

 ──「中1の時が一番楽しかった」とのことですが、どういう仲間に恵まれたのですか?

「賑やかで明るいチームでした。サッカーのレベルも高かったんで、負けた記憶がないですね。今、養和U-15は関東リーグ2部なんですけど、敬斗たちは2部から1部に昇格しています。ある意味、歴史を作ったチームですね」

 ──彼は高校2年まで5年間養和で過ごしたが、挫折はありましたか?

「本人は完璧主義で、得意な角度からシュートを外したりすると、自分に対してもの凄くイライラすることがありましたね。ユース時代は高1の時から、高3中心のチームの試合に出ていましたけど、どうしてもフィジカル的な差があるので、中学時代みたいにドリブルで抜けなくなり、『どうしよう』と相談してきたことがありました。敬斗は自分の試合は全てチェックしていたので、後から局面ごとにアドバイスをして、修正を促しました。彼はとにかく自分を向上させようと努力を欠かさない。まさに『ミスター貪欲』です。自分の夢を叶えるために全てのエネルギーを注げる人間なんです。『自分は自分』という軸をしっかり持っていて、目指す方向に進むという努力を惜しまない。その姿勢には高校生ながら、頭が下がりました」(=後編に続く)

(聞き手=元川悦子/サッカージャーナリスト、絹見誠司/日刊ゲンダイ

▽なかむら・けいと 2000年7月28日生まれ、26歳。千葉・我孫子市出身。小5までJ柏のジュニアでプレー。中学から三菱養和SCに所属。18年にJ・G大阪入り。19年7月にオランダ1部トゥエンテに移籍。ベルギー1部シントトロイデン、オーストリア1部リンツを経て23年8月、フランス1部スタッド・ランス(現2部)に完全移籍。代表僚友FW伊東純也と共闘した。同年に日本代表初招集。24年1月のベトナム戦で53年ぶりの「代表デビューから国際Aマッチ出場6試合6得点」を記録した。

▽うぶかた・しゅうじ 1986年10月13日生まれ、57歳。神奈川・横浜市出身。岩崎中学1年からサッカーを始めて国士舘高ー国士舘大。卒業後に三菱養和会に社員として入社。巣鴨スポーツセンターに勤務してユース監督などを歴任しながらFW永井雄一郎(浦和やカールスルーエなど)FW田中順也(柏やスポルティングなど)、J町田所属の日本代表FW相馬勇紀、同DF望月ヘンリー海輝らを育てた。

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