「包丁侍 舟木伝内」陶智子、綿抜豊昭著

公開日: 更新日:

 江戸時代に加賀藩前田家の料理に携わった料理人・舟木伝内包早(かねはや)と子孫の生涯を追い、その料理哲学に迫った歴史エッセー。

 加賀料理の源流ともいえるその料理は、「圧倒的な知識と卓越した発想にあふれ」藩主らをうならせたという。

 加賀藩の重臣奥村家の料理人だった包早は、21歳で「御料理人」として召し出され御台所御用を務めることになる。時の藩主は、5代綱紀。以来、代々の藩主につかえ、58歳にして領地を与えられるまでに出世、子の安信は御料理人の頂点にまで上りつめる。綱紀が好んだ献立なども紹介しながら一族の仕事を詳述。さらに舟木家の料理書をもとに加賀の大名料理の数々を再現する。

(平凡社 1600円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態