原発利権と地方の現実が題材 最新作「雪炎」の馳星周氏に聞く

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「利権に群がる人々の思惑や、それにすがるしかないと信じ込まされている地方の現実は、都会に暮らす人にこそ知ってもらいたいんです。私自身は、原発には反対です。しかし、やみくもに反対を叫ぶことは無意味だと思っている。東京で必要以上に電気を使いながら、地方選挙で原発推進派が勝つと“あいつらバカじゃねぇか”などとあざ笑う。その矛盾から目を背け、原発がある自治体の現実を知らずにただ騒いでいても、日本から原発はなくなりません」

 ただ単に正論を叫ぶのではなく、中央からの財政支援で地方との格差を減らすなど新しい仕組みを考えない限り、脱原発など夢のまた夢と訴える著者。まずは現実を知り、考え続けることが大切であり、そのためにも本作は必読だ。

▽はせ・せいしゅう 1965年北海道生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。出版社勤務などを経て、96年「不夜城」で作家デビュー。同作で第18回吉川英治文学新人賞を受賞。99年「漂流街」で大藪春彦賞を受賞。2011年には原発のガードマンを描いた「光あれ」を発表している。

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