「鷹ノ目」犬飼六岐著
勧賞金目当てで犯科人捜しをしながら諸国を巡る条四郎は、ある目的で都に入るが、信長の放った火で、捜していた品と男は燃えた後だった。都を出て、斑鳩の知人の家に到着すると、殺気立った村人たちに囲まれる。村人によると、落書で家の主・吉兵衛が法隆寺に入った夜盗と定まったので、殺して家を焼くという。法隆寺の寺男だった吉兵衛の弟・安之助が、1年前に夜盗に殺された。その夜盗を捕まえた条四郎には、吉兵衛が弟の殺された場所に盗みに入るとは思えない。条四郎は、村人たちが来る前に逃げ出していた吉兵衛の行方を捜す。
戦国時代の賞金稼ぎを主人公にした連作集。(文藝春秋 1550円+税)