「出生前診断」河合蘭氏

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 著者自身も、96年、第3子を妊娠中に医師から「血液の検査、受けますか?」と軽く聞かれたが、夫に「大丈夫だよ。病気が心配なら保険に入ればいい」と言われ、それがうれしかったので自分は検査したくないんだな、と気づいた経験があったという。

 夫婦の意向が違うと問題はさらに深刻だ。不妊治療のお金を出している親から、受けなさいと言われるケースもある。

「先進国のなかでも日本は女に決めさせない社会です。母親に、全てを捧げる完璧なマリアさまを期待し、検査に強く反対する人もいます。ただでさえ育児の負担が重い女性たちを追い詰め、少子化に直結しているのではないでしょうか。障害や病気のある子が生まれるのは、誰にでも起きることです。出生前診断を通して、どう向き合うかを考えるきっかけになればうれしいですね」

(朝日新聞出版 820円+税)

▽かわい・らん 1959年東京都生まれ。写真家を経て、86年から産む人の立場で産科医療、不妊治療を追ってきた出産ジャーナリスト。東京医科歯科大学、聖路加看護大学大学院などの非常勤講師。著書に「安全なお産、安心なお産」「卵子老化の真実」ほか。

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