名門外資系アナリストが実践している為替のルール

公開日: 更新日:

「名門外資系アナリストが実践している為替のルール」村田雅志著

 いま、学生や主婦などをターゲットに「必ず儲かる投資の実践法」を紹介するDVDを高額で売りつける詐欺的ビジネスが、大流行している。先日、そのDVDの内容を見る機会があったのだが、驚いたのは、実に上手に「必勝法」が紹介されていたことだ。

 その通りに取引していったら、ほぼ確実に儲けが出るような錯覚に陥ってしまう。もちろん、そこで語られていることは、画期的な投資法でも何でもなく、現在ではほとんど役に立たないカビの生えた「必勝法」を化粧直ししたものだ。それでも、多くの消費者がだまされてしまうのは、きちんと金融の知識を身につけていないからだろう。

 本書の著者は、米国の名門投資銀行で通貨ストラテジストを務める為替のエキスパートだ。その著者が、為替とは何か、為替はどのような要因で、どちらに動くのかという基本的なメカニズムに始まって、国際収支統計の見方、チャートの読み方など、為替にまつわる基本的知識を体系的に整理している。

 本書の一番よいところは、素人にも分かりやすいように、ステップ・バイ・ステップで、丁寧に書かれていることだ。本文は2色刷りで、ポイントはチャート式でまとめられている。まるで受験参考書のような構成になっているのだ。これだと、経済があまり得意でない人でも、為替の本質が理解できると思う。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし