こういう本こそ教養本である

公開日: 更新日:

 東横線が廃線になるわけではない。車両が消えるわけでもない。単にホームが地上から地下に代わるだけだ。それでも、この大騒ぎだ。本当にバカだなと思う。ただ、ほほ笑ましく、そしてちょっぴりうらやましい気さえしてくるバカだ。

 本書には、著者が撮影した全国の絶滅危惧種や絶滅種の鉄道車両写真、切符のコレクション、著者が鉄道マニアになるまでの歴史、中川家の礼二氏との対談、自作の鉄道絵本など、さまざまなコンテンツが満載になっている。

 この本を読んだからといって何かの実利があるわけではない。しかし、私のような中途半端な鉄道ファンが読んでも、文句なく楽しいし、こういう本こそが、教養本といえるものなのだと思う。

 お勧めの旅行プランも掲載されているので、この本を片手に、車両見学にローカル鉄道の旅をしてみるのも、楽しいのではないだろうか。
★★半(選者・森永卓郎)


【連載】週末オススメ本ミシュラン

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明