「身近な鳥のすごい事典」細川博昭著
身近な鳥の来歴や日本人との関わりを文化誌の視点からまとめた事典。
世界中どこでも見られるドバト(堂鳩)は、もともとは地中海沿岸から中東、インドにかけて生息していたカワラバトを品種改良して生み出された。日本には飛鳥時代前後にネコなどとともに中国から渡来したのが起源という。高い記憶能力と視覚処理能力を持つハトの帰巣本能を利用した伝書バトは、古代メソポタミアに始まったそうだ。しかし、日本では18世紀後半以降と遅く、天明3(1783)年に伝書バトを使って米相場の情報を違法に伝達した商人が捕縛されたという記録が残っている。
その他、ツバメやホトトギスなど、お馴染みの35種の鳥の意外な歴史と生態を紹介。 (イースト・プレス 880円+税)