「弁護士の格差」秋山謙一郎著

公開日: 更新日:

 かつて「プラチナ資格」といわれ、高収入と社会的地位が約束されていた弁護士だが、今は「取得までの苦労が多い割に報われない資格の筆頭」とまでいわれているそうだ。そんな弁護士の実態を告発するルポルタージュ。

 バブル崩壊以降、弁護士の所得は減り続け、今や半数が年間所得約400万円で、平均的サラリーマン以下だという。低所得化によって、専門性の高い事件を法律家の矜持にかけて手弁当に近い価格で引き受ける余裕がなくなり、冤罪の可能性が疑われる刑事事件や、医療過誤事件などに連座した無辜の民や経済力に乏しい市民にも、しわ寄せがきているという。

 こうした弁護士間の経済格差から、経験不足から生じる「スキル格差」や「意識格差」など、弁護士界の知られざる現実を伝える。(朝日新聞出版 720円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言