人生100年時代を生き抜く本特集

公開日: 更新日:

「100年を生きる 心臓との付き合い方」天野篤著

 戦後右肩上がりに延びてきた日本人の平均寿命。今や人生100年を視野に入れたライフプランが必要な時代になりつつあるという。そこで今回は、健康や仕事や経済など、それぞれの視点から人生100年時代を生き抜くための戦略を紹介している本を5冊ご案内!

 生まれたときから、休むことなく働き続けている心臓。人生100年時代を迎えるにあたって決して無視できないのが心臓の存在だ。本書は、110歳までトラブルを起こさないことをモットーに日々患者と向き合ってきた心臓外科医である著者が、天寿を全うするまで心臓に働いてもらうためには、どうすればよいのかを説いたもの。心臓に問題を抱えたときの最新医療技術の数々はもちろん、心臓を守る日々の暮らし方まで、分かりやすく解説している。

 たとえば、寝不足のままでウオーミングアップもせずにドライバーをフルスイングすると心拍数が急激に上がるため、ゴルフは1番ホールの第1打が一番心臓に負担をかけやすいのだとか。本紙の人気医療連載の書籍化。

 (セブン&アイ出版 1600円+税)

「ジェロントロジー宣言」寺島実郎著

 80歳以上の人口が1000万人を突破している日本では、「高齢者=余生、第二の人生」といった定義が現実にそぐわないものになってきた。60歳前後で定年を迎えた人は、その後の40年をどのように生きるのか、新しい社会構想が必要な時代となっている。年齢による画一化した考え方は見直される流れにあり、従来の議論を超えて、高齢者自身の社会参画を含めた構想が必要だ。

 著者は、特に都市中間層の高齢者がどのような形で社会参画可能かを提案。食や農業、観光、NPOなどの分野などに挑戦することで、高齢者自身がより積極的な生き方ができるだけでなく、社会の安定にも寄与すると解説する。そうした活躍のためにも、戦後教育の限界を認識して、知の再武装ともいえる教養のアップデートが必要であると説いている。

 (NHK出版 780円+税)

「まんがでわかる LIFE SHIFT」リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、星井博文原作、松枝尚嗣まんが

 人生100年という時代に突入したとき、人はどう生きるべきなのかを書いてベストセラーになった「LIFE SHIFT」。分厚い本だけに、名前は知っていても読んでいないという人も多いのではないだろうか。

 本書は、今からでも手軽に読める「LIFE SHIFT」のまんが版だ。就職活動中の女子大学生の美咲、短期留学生のエルザ、子会社への出向を命じられた美咲の義理の兄、役職定年が近づく55歳の美咲の父親などが登場し、人生100年時代に必要な戦略についてストーリーの中で分かりやすく説いている。

 たとえば資産には貯蓄や土地などの有形資産とは別に、目には見えない無形資産があることに言及。無形資産には、稼ぎを得る生産性資産、心身の活力を維持する活力資産、変化に柔軟に向き合う変化資産があり、まずこれらを再点検する必要があるらしい。今後の人生を考え始めたミドルエージはもちろん、就職が気になる学生世代にもおすすめだ。

 (東洋経済新報社 1200円+税)

「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」三戸政和著

 定年後の新しい仕事として、起業を考える人もいるだろう。しかし、さまざまなリスクもついてまわる。ならば、会社を起業するのではなく、現在ある中小企業を個人買収する方法があると説いているのが、この本だ。

 実は今、日本では多くの中小企業が後継社長を探している。業績がダメな会社ばかりではなく、優良企業までもが後継者不足で悩んでおり、廃業するケースも後を絶たない。そこで必要なのは企業の中で長年働いてきた経験を持つサラリーマン。大企業の本社で総合職採用された営業マンなら、その部門の売り上げを背負った経験や管理職としてのノウハウも十分に持っており、経営者としてのポテンシャルは十分にあるというのだ。

 本書では、人生100年時代における会社売却情報の探し方から会社の見極め方までを指南。準備次第で、雇われる側から雇う側へと転換するチャンスがあるのかも!

 (講談社 840円+税)

「定年前後の『やってはいけない』」郡山史郎著

 定年が視野に入ってくると、第二の人生をどうするべきかを巡って、頭を悩ます人が増えてくる。今の時代に、悠々自適の定年後をイメージできる人は何人いるのか。60歳で子会社に移り、65歳で就職活動をスタート、67歳で再就職した経験を生かし、その後、人材紹介会社を経営している著者が、自身の経験をもとに定年前後にこれだけはやらない方がいいということを提示したのがこの本だ。

 そしてNG行動の筆頭が「定年前の肩書や年収にこだわること」。こだわった結果、無職期間が延びて、さらに仕事が決まりにくくなる悪循環に陥るのだという。逆に自分に来た依頼に対して柔軟に引き受けていくうち、条件が上がってくる事例も紹介されている。資格や勉強に投資するのも、無駄になりやすいのでご用心とのこと。83歳現役ビジネスマンならではの辛口の助言に耳を傾けてみたい。

 (青春出版社 950円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    お台場の海はなぜ汚いのか 水質を知り尽くす港区議が警鐘

  2. 2

    “タブー”だった事務所移籍 安室奈美恵はなぜ成功したのか

  3. 3

    大野智は謝罪…新生ジャニーズはタレントの恋愛問題にどう対応

  4. 4

    「出欠の返事ない人は椅子と食事持参で」の招待状が大ウケ

  5. 5

    1ドル130円の円安地獄がまねく狂乱物価で庶民の懐は火の車

  6. 6

    あざとい“方言パフォーマンス”に透けて見える自信のなさ

  7. 7

    CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

  8. 8

    東京五輪男子マラソン“第3の男” 大迫と設楽は今後どう動く

  9. 9

    二宮は3億円豪邸で事実婚 ジャニーズ“結婚ラッシュ”突入か

  10. 10

    田原俊彦が干された真相…「BIG発言」だけではなかった

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る